
[ところてん じゃーなる]
知ってる?! ところてんの謎
多くのこんにゃく屋は、こんにゃく閑散期の春夏に「ところてん」をつくっているって、ご存知でしたか?
ところてんなんてどれも同じ……と思っている人も多いかもしれません。しかしシャチョーくん曰く、「ところてんもまた、ホント奥が深い」んです。
ということで、記事数限定で『ところてん じゃーなる』をお届け〜♪
Vol.1の今回は、ところてんを作って103年の北野谷商店シャチョーくんが、意外に知らない(?!)ところてんの謎にお答えします。
Q.ところてんと寒天、似てるけど何が違う?
A.
寒天原料となる海藻を水で煮て濾すと、どろ〜んとした状態に。これを冷まして固めたものが、ところてん!
そのところてんを脱水して乾燥させたものが、棒寒天や糸寒天です。これを再度水に溶かして固めると、あんみつに入っているようなぷるぷるの寒天ができあがるんですよー。
Q.ところてんの原料は?
A.
「天草(てんぐさ)」と呼ばれている海藻です! でも実は、天草という植物名の海藻はないんデス。正式には「テングサ属」の海藻。
「天草」の中にも通称アラメ(植物名オオブサ)、通称ケグサ(植物名マクサ)などの海藻があります。アラメとケグサで特徴が違い、どう配合するかでなめらかさ&弾力が違ってくるんです。
それぞれのメーカーで食感にこだわりがあり、職人の腕の見せ所♪ 一言でところてんと言っても色んな食感があるので、食べ比べてみてください!
Q.「美味しい❤︎」には原料が大切。
どうやって天草を選ぶの?
A.
「国産の天草100%」のところてんが一番!とくに伊豆大島の天草は、品質◎の一級品とされています。
シャチョーくんの経験上、海外産の天草は、ドブ臭いようなイヤ〜な風味があったりするですよね……。
北野谷商店では、伊豆大島の天草をはじめとする国産天草をイイ感じにブレンドしていますよー。
Q.美味しいところてんを、
店頭で選ぶコツは?
A.
ずばり原材料名に「国産天草」「天草」と書かれた商品を選んで。
大量生産品の場合、ところてんの原材料に「粉末寒天」と書かれているものもあります。粉末寒天を使うメリットは、手早く安価につくれること。デメリットは、ところてんの醍醐味である喉越し&磯の風味が堪能できないことです。
そうそう。実は、天草以外の海藻(オゴノリ=オゴ草、紅藻類など)でも寒天質を作り出せます。ところてんを干物にして寒天をつくるとお伝えしましたが、それはあくまで昔の話で、今ではオゴノリ等を主原料にした寒天(とくに粉末寒天)もたくさんあるんですよね……。
それらの粉寒天に頼らず、「天草」しかも「国産天草」だけを使っているものこそ、つるんと心地よいなめらかさと弾力、そして国産天草ならではのほのかな磯の香りを楽しめるんです♪
Q.北野谷商店のところてん、
こだわりを教えて!
A.
シャチョーくんが目指すのは「ぷるんと弾力はあるのに滑らかな舌触り」。
落としたときに崩れちゃうような硬いところてんではなく、ぷるんとしなやかさがあり「飲むように食べれる」食感を目指してマス。
大正7年(1918年)以来、春夏はところてんをつくっていますが、何度も天草のブレンドや製法に改良を加えてきました。
パック入りはスーパー等、
自分で突く袋入りは
北野谷商店ネットショップ
でも販売中。
シャチョーくんが5代目として会社を継いで生み出した現在のところてんは、過去一番のなめらかさ。103年間で最高のところてんです! ぜひご賞味くださいねー♪
■次回予告■
製法にも色々ある! ところてん工場見学