[こんにゃくWord 学習帳]
モテたい男必読!?江戸の名言
「こんにゃくWord 学習帳」は、言葉からこんにゃくを学び、言葉から教訓を得る(?)シリーズ。今回は、こんにゃくの歴史も、ひも解きます。
昭和30年代キッズが好きなものを並べた、コレの仲間。
今回のワードは、「芝居蒟蒻芋南瓜(しばい こんにゃく いも かぼちゃ)」。これは、江戸時代に生まれた言葉で、女子が好むモノが、列記されているそう。
現代でも秋になれば、芋・栗・かぼちゃ系のお菓子が店頭に並ぶので、“芋南瓜”には、納得。しかし、なぜに“蒟蒻”?
うなぎ、天ぷら、どぜう…etc.
日本独自の食文化が広まった、江戸時代。
そのワケは、こんにゃくの歴史にあり。江戸後期は、こんにゃくが広く庶民に食べられるようになった時代なんです。
中国から伝来し、平安時代から食されていたこんにゃくですが、当時は高級品。口にすることができたのは、公家や武家、寺社関係者など、限られた人たちのみ。
さらに、こんにゃく芋をすりおろして製造していたため、芋が収穫される秋しか食べられないものでした。芋が腐りやすく、輸送効率も悪かったんです。
1776年は、アメリカが独立宣言をした年。
一方、日本でも革命が…!
しかし、1776年頃になると、革命的できごとが起こります。それが、現在にもつながる加工法の発明。芋を薄く切り、乾燥させて保存(=荒粉)し、使うときに精粉する、という技術です。
乾燥させることで、芋の保存&輸送問題がクリアに。結果、庶民にまで普及し、『蒟蒻百珍』なるレシピ本が登場するほどの超人気食材になりました。
当時は冷蔵・輸送技術が乏しく、刺身などの生ものがなかなか食べられなかったため、感触が似ているこんにゃくが人気を集めた…という説も。
井原西鶴先生は、こんにゃくより、浄瑠璃 推し。
ちなみに、「芝居蒟蒻芋南瓜」という言葉は、落語にも登場。「芝居蒟蒻芋蛸南瓜(しばい こんにゃく いも たこ なんきん)」といわれることも。井原西鶴の『浮世草紙』では、こんにゃくが抜かれて、「とかく女の好むもの 芝居 浄瑠璃 芋蛸南瓜」と記されています。
タコもやっぱり、歯ごたえ抜群。そういや、近年の定番デザート・ナタデココも、ぷるん&つるん&歯ごたえ系。江戸時代から現代に至るまで、乙女の心をつかむのは「食感」がキモといえそうです。彼女への手みやげ、スイーツもイイけど、こんにゃくもウケるかも…よ?!(注:責任は負えません)