[イケてる 蒟蒻 を探せ]
買う前に、食感がわかる裏技☆
本連載Vol.1に続き、“イケてる”こんにゃくの見つけ方をレクチャー! 今回は、パッケージ袋内の水の量に注目します。
こんにゃくの仕上がりを決めるのは、「原料」「練り」「成型&蒸し」の3要素。「パッケージ袋内の水の量」を見れば、「練り」「成型&蒸し」の方法がなんとなーくわかってしまうんですよ。
今回、記事が長いので、忙しい方のためダイジェストをまとめておきます。
* パッケージ袋とこんにゃくの間に「隙間あり・水多め」が食感◎
* なぜなら、「隙間あり・水多め」の製造方法は「バタ練り」+「大造(おおど式)or缶蒸し」(=ウマいこんにゃくが出来る!)
* 100%ではないが、この方法で食感・味染みのイイ品を見つけやすくなる
では、詳しくご説明していきましょう。写真の矢印部分に注目して見てください。Aは袋とこんにゃくの間に隙間がなく、水も少なめ。
Bは隙間があり、その分、水が多め。
この2タイプで、食感&味しみが違ってくるんです。下記にその差をご紹介〜♪
【 Aタイプ「隙間なし・水少なめ」は、“お手頃こんにゃく” 】
Aのこんにゃくは、袋から出すとこんな感じ。こんにゃくが袋の形そのものになっています。
◆◆製造方法◆◆
「練り機(ロータリー式)」_大量生産用マシーンで、原料を練る。
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「充填式(生詰め)」_練り上がったこんにゃく糊を、チューブで直接、袋に充填。
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完成_袋ごとボイル(殺菌)し、固まったら完成。
Aのこんにゃくの多くは、主に上記の方法で作られています。練ったドロドロのこんにゃく(こんにゃく糊)を袋に詰めた状態で固めるため、“袋型こんにゃく”が出来上がるんです。また、固まったこんにゃくを改めて袋に入れるわけではないので、袋内の水分は少なめです。
◆◆メリット◆◆
「練り機(ロータリー式)」(上)は、練る・袋詰めまで一気に機械で行うので、生産効率がよく低コスト。「隙間なし・水少なめ」をスーパー・コンビニなどでよく見かけるのは、そのためなんです。
◆◆デメリット◆◆
以前の記事でもご紹介しましたが、「練り機(ロータリー式)」で練ると、こんにゃく糊に混ざる空気は少なめ。よって、こんにゃくの表面積が少なくなり、サクサクとした食感に。表面も断面もツルツルで凹凸がないため、味染みはソコソコです。
一部、「練り機(ロータリー式)」の弱点を補うべく、「エアレーション」という機械で気泡を加えているこんにゃくもありますが、次にご紹介する「バタ練り」ほどの味染みにはならないかも……。食感・味染み重視の料理より、細かく切った使い方がオススメと言えそうです。
【 Bタイプ「隙間あり・水多め」は、“昔ながらの手間暇こんにゃく” 】
Bのこんにゃくも、袋から出してみましょう。袋型こんにゃくと違い、角が直角になっています。
◆◆製造方法◆◆
「練り機(バタ練り)」_伝統的な機械で、原料を練る。
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「大造(おうど式)or缶蒸し」_こんにゃく糊を、大きな型枠に流し込んで固める。固まったら巨大こんにゃくを切り出し、大きな容器の中で熟成&蒸す。
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完成_袋詰めして完成。
上記が、主な「隙間あり・水多め」の作られ方。巨大こんにゃくをカットしているため、角が直角になるんです。袋内の水は、スムーズに袋詰めするために必要になるというわけ。
◆◆メリット◆◆
「バタ練り」(上)は大きな手のひらで混ぜるかのように練る機械。練る際にバタバタと音がします。この音こそが、美味しいこんにゃくを作る秘密!
バタバタ練ることで、こんにゃく糊に空気がたっぷりと混ぜ込まれ、こんにゃくらしいグニグニ食感が生まれるんです。さらに気泡のおかげで、表面にも断面にも凹凸ができ、味染み抜群のこんにゃくに。
「大造(おおど式)or缶蒸し」で熟成させる際にこんにゃくが引き締まるのも、グニグニ食感を生む秘密です。
ちなみに、シャチョーくんのこんにゃく工場では、バタ練り+大造(おおど式)で作っています。「バタバタ音は、こんにゃくとの会話! 音を聞いて、加える水の量などを判断するんデス。我ながら職人技♡」とシャチョーくん。こんにゃく芋の出来や、その日の気候・気圧に合わせ、微細な調整ができるのもバタ練りのメリットです。
◆◆デメリット◆◆
昔ながらの製法のため、手間がかかります。そのため、今やバタ練りは絶滅危惧種。
また「隙間あり・水多め」が必ず「バタ練り」で作られているとは言い切れません……。本来、「隙間あり・水多め」は「大造(おおど式)or缶蒸し」であることを判断する基準でしかないんです。
とはいえ、「ロータリー式の練り機」は「充填式」とセットであることが多いので、「隙間なし・水少なめ」になりがち。逆に、袋型こんにゃくに仕上がる「充填式」を用いる「バタ練り」はゼロ。「隙間あり・水多め」を選べば「バタ練り」に当たる確率がUPすると考えていいでしょう。
「こんにゃくなんて、みんな同じ食感じゃないの〜?」思った皆さま、是非一度、「バタ練り」を謳っているメーカーのこんにゃくを食べてみてクダサイね。味わえば、その違いに感動すること請け合い! 見分けの正誤も、判断できるようになると思いますよ★