[ご当地 美味 を訪ねて]
絶滅寸前!幻の蒟蒻@茨城
今回の“ご当地”は、茨城県久慈郡大子町(だいごまち)を中心とした、奥久慈地域。この地域はこんにゃくが名産品とあって、ユニークなこんにゃく料理&加工品が、わんさかあるとの噂…。
「道の駅・奥久慈だいご」は、
ご当地こんにゃくの宝庫。
その真相を確かめるべく、「蒟蒻神社」参拝の帰り道、JR常陸大子駅から徒歩15分ほどの道の駅に立ち寄ってみました。
こんにゃく芋が、
そのまま売り場に…!
一歩踏み込むと、そこには普段目にすることのない光景がっ。こんにゃくづくりにマストな凝固剤つきで、芋が売られておりました。大きい芋は、ソフトボール大。
奥久慈のみなさまは、ご家庭でもこんにゃくづくりを?!これは、ほかのこんにゃくプロダクツも期待できそうです。
個性派刺身こんにゃく、勢ぞろい。
黄色は、ゆず風味。
刺身こんにゃくは、さまざまな色合いのものが。こんにゃく&ゆばづくりに欠かせないキレイな水を誇る奥久慈は、ゆばもまた特産品。こんにゃく×ゆばのハーフは、刺身で食べても、麺類的に調理してもOKとか。
ベーシックな刺身こんにゃくを
赤味とするなら、
コチラは大トロ状態。
実際に食してみると、とろけるやわらかさの刺身が多数。一袋ワンコインほどで大トロ食感が楽しめるとは、けしからんほどのおトクさです♥
土産品の定番・つけもの系にも、
こんにゃく使用。
こんにゃくのつけものとは、ちょっと意外。しかし、ごはんに一品プラスするだけで、食物繊維がとれちゃうスグレモノ。おつまみにも◎。マネして、自家製こんにゃくづけを開発(?)してみるのも、おもしろそうです。
土産品の目玉は、
幻の食材こと、凍みこんにゃく。
なにより注目したいのは、こんにゃく界の絶滅危惧種・凍みこんにゃく。戦前は日本中で食べられていた食材らしいのですが、と〜っても手間ひまがかかるため、現在は、数えるほどの生産者が茨城県内にいるのみとか。
つくられるのは、寒さの厳しい12〜2月。かつては、農家が農閑期に田畑で生産していたといいます。
その伝統的製造工程はというと…。
こんにゃくをつくり、薄くスライス
↓
田畑にワラを敷きつめ、その上に、並べる
↓
寒い夜間に、こんにゃくは凍りつく
↓
昼間は日光で解凍
夜は水をかけ、再び凍らせる
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タイミングをみて、裏返しつつ、凍る・溶かすを繰り返す
↓
1ヶ月近くもの期間をかけて、完成!
無事完成させるためには、夜間冷え込み、昼間は温かい気候が不可欠。さらに、雨が多くても、風が強くてもダメ。冬場は滝も凍りつくほど寒い奥久慈は、この条件にジャストなワケです。
戻してみた。
左から、Before・After。
できあがった凍みこんにゃくは、水分ゼロのミイラ状態。一説によれば、半世紀は保管が効くとか…!最近流行の冷凍庫産の氷こんにゃくとは、一線を画す一品なのです。
調理方は、水で戻してやわらかくなったら、数回水をとりかえてアクを抜き、ゆでてから水を絞って、各料理に用います。弾力ナシのスポンジ状で、半端ナイ味染み具合が魅力。煮物や汁もの、きんぴらなどにぴったり。
トップの画像では、みそ汁と鶏肉のみそ煮に入れてみました。
天ぷらやフライにも、変身。
ふにふに、不思議な食感。
水分が多い通常のこんにゃくでは難易度の高めのあげもの系も、凍みこんにゃくならイケちゃいます。画像は、奥久慈の料理店で食した天ぷら。食感は、油あげに似てるかも。スナックなどのお菓子ちっくな味わいでした。
凍みこんにゃく自体には味がないので、自宅であげるときには、しょうゆ&みりんなどで煮込み、味付けしてから衣をつけるのがオススメです。
通常のこんにゃくよりもクセが少ないため、味付け次第で色々使えそう。和洋中、さまざまな料理に加えてみたくなります。
こんにゃくの里、大子町、
また来るよ〜☆
さて、たくさんのご当地こんにゃくを食して、今回の旅は終了。つけものに、凍みこんにゃくin和洋中料理に…と、こんにゃく料理のレパートリーをひろげるヒントも、たくさんもらっちゃいました♪
ありがとう〜、奥久慈のこんにゃくたち!