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こんにゃく じゃーなる

[ゆるぷる都市伝説]

蒟蒻×幽霊の深〜イ関係

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夏といえば、怪談話。ぷるぷるヒヤリとしたこんにゃくを、肝試しで活躍させた…なんて、夏休みの思い出がある人もいるはず。今回のテーマは、そんな切っても切れない「こんにゃく×幽霊」です。
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この怪談の幽霊画、気になる?

それならコノ本を…!

 

まずは、こんにゃくが原因(?!)で、幽霊となった女の話を…。奈良県天理市に伝わる怪談です。

 

〜〜〜

ある男が夜更け、稲葉町と嘉幡町の間にある石橋を渡ろうとしたときのこと。スーッと、女の幽霊が現れた。その女の口には、なぜかこんにゃくがくわえられていた。

 

男は恐ろしさのあまり一心不乱に念仏を唱え、なんとか無事に家まで辿りつく。後日、男はこんにゃくと女の関係を知ることに…。

 

こんにゃくのことで夫婦喧嘩となり、そのために死んでしまった女がいるというのだ。その恨めしさから、こんにゃくをくわえて出るのだろう。その後も“こんにゃく幽霊”は度々目撃され、“こんにゃく橋”と呼ばれる橋を、暗い時間に渡ろうとする者はいなくなったそうだ。

〜〜〜

 

この怪談で気になるのが、「こんにゃくのことで夫婦喧嘩」。あまりに美味なこんにゃくを奪い合った!? それとも、こんにゃくと浮気(♥︎)した旦那と喧嘩に…? さまざまな妄想が広がります。

 

さらに、こんにゃくをくわえた姿って怖いのか、ユーモラスなのか? そこんとこも気になります…。
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河鍋暁斎の戯画『狂斎百図』より

「亭主の好きな赤烏帽子/こんにゃくの幽霊」

 

一方、奇才浮世絵師・河鍋暁斎(かわなべきょうさい)が描いたのは、こんにゃくそのものの幽霊。桶から飛び出したこんにゃくが連なり、「うらめしや〜」!

 

幽霊の顔付近は、しらたきでしょうか? しらたきも江戸時代に存在した食べものなので、描かれていても不思議はないかも…。

 

ちなみにこの浮世絵は、ことわざをモチーフにしたもの。近年はトンと聞かない言葉ですが、「こんにゃくの幽霊」なんてことわざがあるんです。ぐにゃぐにゃぷるぷると定まらない様子を表す言葉だそう(このワードと似たカンジ)。

 

血の通わぬ幽霊と、ぐにゃぐにゃでヒンヤリ冷たいこんにゃく。この2つの関係は、こんにゃくが一般庶民にも人気を博した江戸時代から、長〜く受け継がれてきたもの。今や“日本の夏の風物詩”的関係といえるかも、しれません。