[ご当地 美味 を訪ねて]
山形の玉こん愛は平安から!?
鍋におでんに、スキヤキ…。みなさん、今年の冬もこんにゃくに親しんでますかー!?
こんにゃく芋の生産量トップが群馬県であることは、過去にお伝えしたとおり。では、“もっとも、こんにゃくに親しんでいる地域は?”。
2017年ラストの「こんにゃく じゃーなる」は、これをテーマにお送りします。
山形県民にとって、
河原で芋煮=秋の恒例行事!
【こんにゃくへの支出金額】
1位 山形市
2位 青森市
3位 新潟市
4位 仙台市
5位 福島市
「家計調査結果(二人以上の世帯:平成26~28年平均1世帯当たり年間の支出金額及び購入数量)」(総務省統計局)より
こんにゃくへの支出金額ナンバー1、それは、ずばり山形! 年間支出額は3,903円で、全国(1,989円)の約2倍に及びます。
「さといもへの支出金額」も、同様に山形市が全国1位なので、山形のこんにゃく支出=芋煮愛ゆえといえそう。
山形の観光地には「玉こんにゃく」の
のぼりが必ずあると言っても
過言ではない!
そしてもう1つ、山形のこんにゃく消費量に貢献していると思われるのが、玉こんにゃく。手軽に食べられる玉こんにゃくは、地域のお祭りや学園祭でも見かける、山形県民のソウルフードなんです。
“蒟蒻俳人”(勝手に命名)・芭蕉が
「閑さ(しずかさ)や
岩にしみ入る蝉の声」と詠んだ
山寺は、こんにゃく縁の地!
もちろん、さまざまな観光地でも玉こんにゃくが売られています。山形市にある通称・山寺こと立石寺(りっしゃくじ)の串刺し玉こんにゃくは、とくに有名。
山門付近で売られており、「力こんにゃく」と呼ばれています。参道の石段(1,015段!)を登る前に、コレを食べると力が沸いてくる…というワケなのでしょう。
山形とこんにゃくとの密接な関係がはじまったのも、この山寺から。伝承によれば、山寺を開いた慈覚大師(円仁和尚)が、中国で漢方薬として使われていたこんにゃくを持ち帰り、精進料理に用いたとか。
当時は、平安の世。山形とこんにゃく、なんて長い付き合いなのでしょうか…!
山寺の玉こん!
からしをつけて食べるのが、
山形県のお約束。
ちなみに山形では、串刺し以外に、おでん・鍋ものと多様な料理に玉こんにゃくが使われているそう。
しかし、いわゆる“山形の玉こんにゃく”は、やはり茶色い玉こんにゃく。乾燥させたスルメの皮を使ったしょう油ベースのだし汁で煮込んだ、深みある味わいは絶ピン♥ 日本酒のアテにも、バッチリです。
そうそう、山形県随一の観光スポット・山寺、実は縁切り寺だって、知っていましたか? 縁切りといっても、人との縁ではなく、悪縁を切るために参拝するそう。
悪縁を断ち切って、サイコーな新年を迎えたい…という人は、山寺に向かってみては? え? 今からじゃ間にあわない?
それなら、お坊さんの精進料理から発展した玉こんにゃくを食し、煩悩バイバイを心がけてはいかがでしょうか。
みなさん、こんにゃくとともに、良い2018年をお迎えクダサイ♪
■おまけ■
山形での玉こんにゃくの愛されっぷりはすざまじく、「たまこんちゃん」なるキャラも存在。生み出したのは、山形県のとある企業。なんとテーマソングやスルメイカのキャラまで!
ぜひ、ググってみてください。そのマルッと愛らしい姿に癒されること請け合いです♥