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こんにゃく じゃーなる

[イケてる 蒟蒻 を探せ]

江戸の珍本『蒟蒻百珍』

5月29日は「こんにゃくの日」。こんにゃくの種芋が植え付けられるのは5月頃。加えて、529=「こん(5)にゃ(2)く(9)」! そんなワケで平成元年に制定された記念日なんです。

 

このスペシャルデーに、こんにゃくカルチャーを再確認! 江戸時代に出版された日本初のこんにゃく本『蒟蒻百珍』を読みながら、こんにゃく料理の今昔を考えてみましょう。

 

■過去記事:こんにゃく芋植え付け体験記

こんにゃくが庶民の食べ物となったのは、江戸時代のこと。水戸藩の中島藤右衛門が、こんにゃく芋を荒粉(輪切りにして乾燥させた“荒い粉”)にして長期保存する方法を発明したのがきっかけでした。

 

こんにゃくに出会った当時の人々、あっという間に「ぐにぐに ぷるん!」と心地よい食感の虜に❤︎ とりわけ女性人気が高かったそうです。

 

タピオカなどの食感系フードに女性ファンが多いのは、今も昔も同じなんですね。ちなみに上の浮世絵は、もちもちの白玉を手に笑顔の女性。

 

■過去記事:こんにゃくの神!中島藤右衛門の神社
■過去記事:人気はタピオカばり?!江戸時代のこんにゃく

そんな目新しい食材・こんにゃくの食べ方を追求して出版されたのが、『蒟蒻百珍』デス(写真は現代語訳版)。

 

作者は「蒟蒻珍人」を名乗る人物。序文では「蒟蒻玉には、中国ではダイヤモンドに勝るという“玉”という文字が使われている」とこんにゃく愛を炸裂させつつ、「中国では昔から温湿布として使われていた」など数々の豆知識を紹介しています。

 

■過去記事:正岡子規もご愛用♪;︎蒟蒻温湿布
■過去記事:松尾芭蕉は大のこんにゃく好き?!

で、肝心のレシピは82種類。「100ないじゃん!」という声が聞こえてきそうですが、江戸時代には『豆腐百珍』が大ヒットして以来、“百珍物”と呼ばれるレシピ本が大流行。その流れにのったネーミングのようです。

 

レシピを見ると、「田楽」「刺身」をはじめ、辛めの味噌に一晩漬け込んだ「味噌漬」など、現代でも食されている料理もたくさん。

 

■過去記事:料理人直伝・味噌漬け蒟蒻レシピ

驚くのは、アワビ、ハモ、鯛、ウニとリッチな食材を使ったレシピがいくつも紹介されている点。「こんにゃくをおいしく食べたい」熱、ハンパなし。

 

その一方で、こんにゃくを肉・魚に見立てたメニューも多数。「狸汁」(写真)はこんにゃくを獣肉のかわりに使った汁物ですが、「鼈煮(すっぽんに)」「鮒(ふな)なます」「鰌(どじょう)もどき」など、かなり意外な置き換えメニューまで! 

 

そうそう。こんにゃく人気の一因として、生魚がなかなか食べられなかった時代、刺身のようにひんやりとした食感が好まれた……なんて説もあるんですよ。

 

■過去記事:給食でも採用! たぬき汁

肉・魚のかわりにこんにゃくを使った商品は、今もありますよね。写真はレバ刺し風こんにゃく。本じゃーなるでも、こんな↓レアものこんにゃくを試食したことがありました。

 

■過去記事:マグロもイクラも。そっくり系こんにゃくを試食
■過去記事:“こんにゃく肉”のハンバーグ&串焼きを食べてみた

 

定番メニューからレア系こんにゃくに至るまで、どうやら現代のこんにゃくカルチャーは江戸時代にすでに築かれていたと言えそう。江戸時代の人、そして『蒟蒻百珍』の作者、ありがとう……!

さてみなさん、今年の529の日は、どんなこんにゃく料理を召し上がりますか? まだ未定なら「肉巻きこんにゃく」なんていかがでしょう。

 

「肉巻きこんにゃく」は、ぐにぐに楽しい食感&肉の代用品としての使い方の両方を生かしたメニュー。こんにゃくを肉に見立ててカサ増ししつつ、実際の肉も使うことで満足感ある味わいに仕上げます。

 

まだ肉食の文化が栄えていなかった江戸時代にはなかったメニューですが、ヘルシー志向の現代人にはぴったり。ネットで数々のレシピが投稿されているので、是非試してみてください★


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